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コロンビア大学の大規模コホート研究によって、グルテンの長期の摂取と冠動脈疾患には繋がりがなく、
セリアック病ではないものはグルテンフリーダイエットをするべきではないと報告されました。
自己免疫疾患であるセリアック病の患者は、グルテンを摂取すると消化管の炎症を起こし小腸に損傷が生じます。
セリアック病患者には冠動脈疾患リスクの上昇が見られますが、グルテンフリーダイエットを継続すればリスクは下がります。
また、グルテンが、セリアック病ではない健康な人にも炎症を誘導する可能性があると言われたこともあり、一般国民だけでなく医療従事者にもグルテンが、肥満、メタボリックシンドローム、神経精神症状、心血管疾患のリスクを上昇させるのではないかという懸念が広がり、グルテン摂取を減らす食事法が流行するようになりました。
米国で行われた調査の結果、近年、セリアック病ではないのにこうした食事法を実践している人の割合が増加していることを示しました。
グルテンの摂取を制限すると、健康維持に必要な一部の栄養素が不足する可能性があるります。
すでにセリアック病では無い人々の間でグルテンフリーダイエットが流行しているにもかかわらず、グルテンの摂取と慢性疾患、たとえば冠動脈疾患などとの関係について調べる長期的な前向き研究は行われていませんでした。
そこでコロンビア大学がこのたび、大規模な調査を行いました。
これらの調査の結果から著者らは、グルテン摂取量と冠動脈疾患のリスクに関連は見られず、グルテンフリーダイエットを実施すると、全粒粉の摂取量が減るために逆にリスクが増大する可能性もあるため、セリアック病でない人にはグルテンフリーダイエットは推奨されないと結論しています。